学資保険はいらない。勤務医が子どもの教育費をオルカンで準備する理由【NISA・児童手当】
2026年6月4日

📌 この記事でわかること
- ✅ 教育費は「公立モデル」で計算すれば、思ったより怖くないこと
- ✅ 学資保険に入らず、同じお金でオルカンを買う方が合理的な理由
- ✅ 児童手当は制度に振り回されず、自分で調整する考え方
- ✅ 「上ぶれはキャッシュフローで対応」という、完璧を目指さない設計
- ✅ 子どもが医学部を目指すなら、何を基準に考えるか
子どもが生まれると、まず頭をよぎるのが教育費の不安です。「学資保険に入っておけ」「大学まで1,000万円かかる」——いろいろな話を聞くほど、何が正しいのかわからなくなります。
この記事では、勤務医であるぼくが学資保険に入らず、どのように子どもの教育費を準備してきたかを、実体験をもとにお話しします。
教育費の不安は「数字を出す」だけで半分消える
チワゴ
先生、子どもが生まれたとき、教育費ってどう考えましたか?周りは「学資保険に入っておけ」って言うし、「1,000万円かかる」って言う人もいて、何が正しいのかわからなくて。
どくたろう
わかる。ぼくも最初は漠然とした不安があった。でも調べてみると、教育費って実は「計算しやすいコスト」なんだよね。
チワゴ
計算しやすい?
どくたろう
日本は飛び級がない。小学校6年、中学3年、高校3年、大学4年——この年数は変わらない。だから公立で通った場合の費用は、ある程度の精度で試算できるんだ。
文部科学省の調査をもとにした、公立モデルの目安はこうなります。
📊 公立モデルの教育費(目安)
- 幼稚園(公立・3年):約70万円
- 小学校(公立・6年):約210万円
- 中学校(公立・3年):約160万円
- 高校(公立・3年):約160万円
- 大学(国立・4年):約250万円
合計で約850万円。これが「全部公立・国立」のベースです。
チワゴ
1,000万円よりは少ないんですね。
どくたろう
しかも、これが一気にかかるわけじゃない。幼稚園や小学校の頃は年間数十万円程度だから、その時期は給料から直接払えばいい。まとまったお金が必要になるのは、高校後半から大学にかけての数年間だ。
チワゴ
じゃあ、全額を今すぐ準備しなくていいんですね。
どくたろう
そう。生まれてから大学入学まで18年ある。じっくり積み立てれば十分間に合う。焦って学資保険に飛びつく必要はどこにもないんだ。
学資保険は入らなかった——利率とインフレの話
チワゴ
先生は学資保険には入ったんですか?
どくたろう
入っていない。検討はしたけど、数字を調べてすぐやめた。
チワゴ
なぜですか?
どくたろう
学資保険の返戻率は105〜110%程度が多い。18年かけて10%の利回りを年率に直すと、0.5%前後だ。今は物価が上がり続けていて、授業料も例外じゃない。年率0.5%ではインフレに追いつかず、実質的に目減りしていく可能性がある。
チワゴ
じゃあ、そのお金はどうしたんですか?
どくたろう
考え方はシンプルだよ。学資保険にかけたいお金があるなら、その分だけ子ども名義でオルカンを買えばいい。変額保険や個人年金保険をやめた理由と同じで、わざわざ保険という形を通す必要がないんだ。
児童手当が月5,000円しかもらえなかった話
チワゴ
先生は児童手当はフルにもらえていたんですか?
どくたろう
もらえていなかった。当時は所得制限があって、勤務医の年収だと月5,000円。本来は月1万〜1万5千円のところだ。
チワゴ
差額はどうしたんですか?
どくたろう
足りない分は自分で補填した。目標は毎月2万円の積立。差額を上乗せして、毎月2万円を子ども用の口座に入れ続けた。
チワゴ
制度のせいにせず、自分で動いたんですね。
どくたろう
制度に不満を言っても、自分の家計は1円も変わらない。自分でできる解決策を探す方が何倍もいい。2024年10月から所得制限が撤廃されて、高校生まで支給対象が広がった。制度はこれからも変わるけど、自分で調整できる仕組みがあれば対応できる。その意味でも、学資保険のように途中で動きにくい形にしない方がいいんだ。
チワゴ
最初から自分でコントロールしていたから、制度に振り回されなかったんですね。
ジュニアNISAを3年分やり切った
チワゴ
ジュニアNISAって廃止になりましたよね?
どくたろう
2023年末で廃止になった。年間80万円まで非課税で投資できる制度だったから、2人の子どもに3年分ずつ、合計480万円分を拠出した。
チワゴ
本当はもっとやりたかった感じですか?
どくたろう
もっとやりたかったのが正直なところだ。今も引き出さずにジュニアNISA枠のまま運用を続けている。追加購入はできないけど、教育費がピークになる大学入学の頃に使う予定で、そのまま置いてあるよ。
チワゴ
制度は終わっても、資産はちゃんと育ち続けているんですね。
どくたろう
そう。買ったのはオルカン1本。投資先で迷ったときの考え方は、別の記事にまとめているよ。
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子どもの投資口座は楽天証券でシンプルに
チワゴ
子ども名義でNISAって使えるんですか?
どくたろう
現行の新NISAは18歳以上が対象だから、子どもは使えない。ただ、2027年1月から「こどもNISA」が新設される予定だ。0〜17歳が対象で、年間60万円まで非課税。非課税期間も無期限になる予定で、ジュニアNISAよりかなり使いやすくなりそうだよ。
チワゴ
じゃあ今は子ども名義では投資できないんですね。
どくたろう
ジュニアNISAで買った分はそのまま運用を続けているけど、新規に投資できる非課税の枠が今はない。だから児童手当ぶんの月2万円は、いったん現金で貯めている。2027年にこどもNISAが始まったら、そこから投資を再開する予定だよ。
チワゴ
今は無理に投資せず、待っているんですね。
どくたろう
そう。非課税の枠が使えるようになってから始めればいい。口座は楽天証券で作っておく。ぼくの予定は、こどもNISAが始まったら年1回まとめて現金を振り込んで、運用状況と設定をざっと確認したら、あとは放置。これくらいシンプルでいい。迷うなら楽天で十分だよ。買うのはオルカン1本。子どもの資産も大人の資産も、考え方は同じだ。
チワゴ
あれこれ比較しなくていいんですか?
どくたろう
大事なのは、できるだけシンプルな仕組みにすること。商品を比較したりポイント還元率を追いかけたりして時間を取られたら、本末転倒だ。ぼくたちの本業は医療だからね。一度仕組みを決めたら、あとは放っておく。細かいテクニックに惑わされず、医療に集中する——それが結局いちばん豊かになる方法だと思っているよ。
チワゴ
お金の仕組みは「考えなくていい状態」にするのがゴールなんですね。
教育費が「上ぶれ」したときの考え方
チワゴ
でも全部公立に行くとは限らないですよね。私立に行きたいと言い出したり、塾代がかかったり。
どくたろう
もちろん上ぶれは起きると思って計画している。でも過度に心配はしていない。理由はふたつ。ひとつは、公立を想定して積み立ててきた資産がすでにあること。公立ならその積立で対応できる。
チワゴ
私立になったら足りなくないですか?
どくたろう
私立を考えるとき、つい「全部ゼロから用意しなきゃ」と思いがちだけど、そうじゃない。公立用に積み立てたお金はそのまま使える。追加で必要なのは公立との差額だけだ。その差額を給料でカバーすればいい。
チワゴ
積み立てた分は無駄にならないんですね。そう考えると私立でも怖くない気がします。
どくたろう
もうひとつの理由は、医師として働き続ける限り、収入でカバーできる余地があること。上ぶれが起きたら、当直を1回増やすという選択肢がある。完璧に準備しようとするより、稼ぎ続けられるスキルを維持することが、教育費の本当の答えだと思う。
チワゴ
「備える」だけじゃなく「稼ぐ力を保つ」のも準備のうち、ということですね。
もし子どもが「医学部に行きたい」と言ったら
チワゴ
先生のお子さんが「医学部に行きたい」と言ったら、どうしますか?
どくたろう
理由による。「お金持ちになりたいから医者になりたい」なら、正直おすすめしない。医者より稼げる仕事は他にいくらでもある。免許を取るまで何年もかかるし、研修医時代は給料も低い。お金だけが目的なら、もっと効率のいい道がある。
チワゴ
具体的にはどういうことですか?
どくたろう
計算してみよう。私立医学部の学費は6年間で2,000万〜4,700万円超。仮に2,000万円を、そのまま40年間インデックス投資に回したとする。過去のオルカンの平均を参考に年利7%で運用すると、40年後には約3億円になる。
チワゴ
え、3億円……!?
どくたろう
あくまで過去の平均をもとにした試算で、将来を保証するものじゃない。でも医者になるために2,000万円を使えば、この資産を作る機会を丸ごと手放すことになる。お金持ちになりたいだけなら、その2,000万円を投資に回した普通のサラリーマンの方が、40年後にははるかに豊かになれる可能性がある。
チワゴ
数字で見ると、全然違いますね。
どくたろう
だからこそ、理由が「お金」だけなら、もう一度考えてほしい。逆に「それでも医者になりたい」という気持ちがあるなら、全力で応援する。その覚悟があるなら国立を目指せばいい。国立医学部なら6年間の学費は約350万円。公立モデルで積み立ててきた資産の範囲で十分対応できるんだ。
チワゴ
「なぜ医者になりたいか」が、まず最初の問いなんですね。
まとめ
- ✅ 教育費は公立モデルで約850万円。数字を出すだけで不安が減り、18年かけて積み立てれば間に合う
- ✅ 学資保険はインフレ負けのリスクがある。同じお金でオルカンを買う方が合理的
- ✅ 児童手当は制度に振り回されず、自分で調整できる仕組みを作っておく
- ✅ 今は児童手当ぶんを現金で貯め、2027年のこどもNISA開始後に投資を再開予定。仕組みはシンプルに、医療に集中する
- ✅ 上ぶれは仕事のキャッシュフローで対応。完璧な準備より、稼ぎ続ける力が最大の保険
教育費の不安の正体は、たいてい「いくらかかるか計算していないこと」です。公立モデルで数字を出せば、必要な金額は見えてきます。あとは、動きにくい商品に縛られず、自分で調整できるシンプルな仕組みを作っておくだけ。今日できるのは、子ども名義の楽天証券口座を開設しておくこと。投資はこどもNISAが始まってからで十分です。
※投資の年利7%はあくまで過去の長期平均を参考にした試算で、将来の運用成果を保証するものではありません。学資保険や教育費の準備方法は各家庭の状況によります。この記事は特定の商品の解約や購入を勧めるものではありません。