勤務医が作った『お金の自動化』——設定1日で、あとは医療に集中できる
2026年5月14日

前回の記事で、研修医のころのぼくは通帳にお金を放置していたという話をしました。奨学金を返しながら、翌月の残高が増えていれば合格——そんな管理でした。
転機になったのは、後期研修で初めての転勤をしたときです。給与口座の変更、各種引き落とし口座の手続き、カードの登録変更……。煩雑な手続きをひとつひとつこなしながら、「これは仕組みを作らないと毎回同じことを繰り返す」と気づきました。
このページでは、ぼくが実際に使っているお金の仕組みをそのまま公開します。
住信SBIネット銀行もSBI証券も、口座開設・口座維持は無料です。一度設定すれば何年も効果が続く——費用ゼロで効果は非常に高い。やらない理由がありません。
チワゴ
自動化って、設定が難しそうです……。
どくたろう
最初に1〜2時間かけるだけで、あとは毎月自動で動いてくれるんだよ。ぼく自身、一番忙しい時期をお金のことを考えずに乗り越えられたのは、この仕組みのおかげだと思ってる。
🏦 まず「お金の流れ」を設計する
自動化の第一歩は、頭の中でお金の流れを整理することです。ぼくの場合、こういう構造にしています。
📊 お金の流れ(毎月)
給料・対応できない公共料金の引き落とし
ここからすべてを振り分ける
NISA・iDeCo
貯蓄・大型出費
カード引落口座
🔑 地銀との「上手な付き合い方」——転勤に強い口座の作り方
給与の振込先は、本来であれば自分で選べるはずです。しかし実際には、病院側が特定の地銀を指定してくることが多いのが現状です。
ぼくの考えは「抵抗しない」です。転勤のたびに事務と揉める手間を考えると、自分の関連病院の多くをカバーしてくれる地銀を一つ持っておくのが、現実的な落とし所だと思っています。
チワゴ
ゆうちょ銀行ではだめですか?全国どこでも使えますよね?
どくたろう
ゆうちょ銀行って、意外にも病院側から断られることがあるんだよ。理由は正直わからないけど——振込手数料の問題かもしれないし、病院と銀行の付き合いがあるのかも。理由を調べる手間より、断られない選択肢を最初から選んでおく方が楽だと思う。地銀を一つ持っておけば間違いないよ。
また、家賃・水道・電気・ガスなどの公共料金も、ネット銀行に対応していない場合があります。その場合も、地銀に引き落とし口座を集約すれば解決します。地銀からSBIへ自動入金を設定する際に、家賃や公共料金など地銀でしか引き落とせない支払い分を差し引いた金額を送金するよう設定しておくのが正解です。最初から引き落とし分を残しておけば、追加の操作は不要です。
チワゴ
残業代も入ると、手取りが毎月変わりますよね。自動入金の金額はどうやって決めるんですか?
どくたろう
平均でみて、安定してもらえる金額を設定するといいよ。多い月は地銀の残高が増えるだけだし、少ない月でも足りなくて困ることがない。支出は多めに、収入は少なめに見積もるのが無難かな。バイト代は計算に入れないくらいの設計の方が、長く安定して続けられるよ。
ここで大事なのは、支払いごとに銀行口座を増やさないことです。目指すのは「ネット銀行1つ+地銀1つで全てを回せる仕組み」です。本当はネット銀行に完全集約できるのがベストですが、対応していないケースへの現実的な対処として地銀を1つ持つ——それだけで十分です。
- カードの引き落とし口座を変更する手続き
- NISA・iDeCoの引き落とし口座の変更手続き
- 光熱費・通信費などの引き落とし口座の変更
- 変更し忘れて引き落とし不能になるリスク
住信SBIを司令塔にして、関連病院の多くをカバーできる地銀を最初から1つ選んでおく——これが鍵です。そうすれば転勤しても地銀を変える必要がありません。変えるのは新しい住所で登録し直す家賃・光熱費などの引き落とし先だけ。カードもNISAも住信SBIはそのまま動き続けます。
🎯 目的別口座で「貯めるお金」を分ける
住信SBIネット銀行には、「目的別口座」という機能があります。メインの口座の中に、名前をつけた「仕切り」を作れるイメージです。別の銀行口座を新たに開く必要はありません。
ぼくが作っているのはこの2つです。
| 口座名 | 用途 | 目安 |
|---|---|---|
| 貯蓄(緊急予備費) | 病気・突発的な出費に備える | 生活費の3〜6か月分 |
| 車・旅行などの大型出費 | 数年に一度の大きな支払いに備える | 月1〜2万円を積み立て |
チワゴ
口座を増やさずに目的ごとに分けられるのは便利ですね。
どくたろう
口座が増えると管理が複雑になっちゃうんだよね。住信SBI1つの中で仕切れるから、それが一番シンプルでいいと思う。銀行口座はできるだけ少なく、がぼくの基本方針かな。
📈 SBI証券への自動積立(NISA・iDeCo)
住信SBIネット銀行とSBI証券は連携口座として設定できます。毎月の積立日になると、住信SBIから自動でSBI証券に資金が移り、設定した投資信託が購入されます。
ぼくがやっていること:
- 新NISAの毎月定額積立
- iDeCoの毎月定額掛金
一度設定すれば、毎月自分で操作する必要はゼロです。
どくたろう
当直や手術が続いても、市場が不安定でも、自動で積み立てが続いてくれるんだ。「忙しくて忘れた」が起きない仕組みって、医師には特に大事だと思うよ。
チワゴ
新NISAとiDeCoって、何を買えばいいんですか?
どくたろう
それはまた別の記事で書くね。新NISAの投資信託の選び方も、iDeCoの商品選びも、実体験をもとにまとめる予定。まずは口座を作って、自動積立の設定をするところまでやっておいてくれれば十分だよ。何を買うかは、その後でゆっくり決めたらいい。
💳 楽天銀行はなぜ必要か——カードの引き落とし口座の考え方
ぼくが楽天銀行を使っているのは、楽天カードを使っているからです。楽天カードは年会費無料で使い始めのハードルが低く、前回の記事でもおすすめしました。楽天カードの引き落とし口座として、楽天銀行が必要になります。
もう一つの役割は、子どもの口座への送金ハブです。毎月、子どもの教育費・将来の贈与分を楽天銀行経由で子ども口座に送っています。
- 楽天カードを使う → 楽天銀行が必要(引き落とし口座として)
- 住信SBIに引き落とせる別のカードを使う → 楽天銀行は不要
口座は少ない方が管理しやすいです。楽天カードを使わないのであれば、楽天銀行を無理に作る必要はありません。自分が使うカードに合わせて判断してください。
🗓️ 自動化して変わったこと
一番変わったのは、お金のことを考える時間が大幅に減ったことです。
学会費の支払いも、住信SBIネット銀行の振込無料枠の範囲に収まる頻度です。振込手数料を気にせず、住信SBIから一本化して払えます。給与の入金・各種支払い・NISA積立・貯蓄——すべてが自動で動くようになると、医師の仕事に集中できる時間が増えます。
どくたろう
お金の管理って、「正しく設計して、あとは忘れる」が理想だと思うんだ。考える回数を減らすことが、長く続けられる一番の秘訣かな。
チワゴ
この仕組み、看護師のわたしにも使えますか?
どくたろう
もちろんだよ。転勤の予定がなくても、今のうちに整えておく価値は十分あると思う。自動化しておくと、給料日にATMに並んで振り込みをする——そういう手間が全部なくなるんだよね。仕組みを作るのは最初の一度だけ。お金の管理の手間が減る分、やっておいて損はないよ。
⚠️ 仕組み作りの前にやること——不要な口座はすぐ解約
この仕組みを作る前に、一度やっておいてほしいことがあります。使っていない銀行口座の整理です。
大学時代に作った口座、親が子どものころに作ってくれた口座——そのまま残っている人は多いと思います。「思い出があるから」「いつか使うかもしれないから」という気持ちはわかります。ただ、基本的にはすべて解約がベストです。
- 管理する口座が増えるほど、仕組みが複雑になる
- 休眠口座は不正利用のリスクになる
- 口座維持手数料が発生する銀行もある
残すのは「ネット銀行1つ+地銀1つ」だけ。それ以外は整理してから、今回の仕組みを作り始めてください。
📋 この記事のまとめ
- この仕組みはすべて無料で作れる——口座開設・維持費ゼロ。やらない理由がない
- まず不要な銀行口座を解約する——「ネット銀行1つ+地銀1つ」にシンプル化
- 給与口座で病院とは揉めない——地銀を1つ残すのが現実解
- ゆうちょ銀行は給与口座に不向き——病院側に断られることがある
- 住信SBIネット銀行を司令塔にする——転勤しても地銀を変える必要がない構造を作る
- 目的別口座で「貯めるお金」を仕切る——口座を増やさずに管理できる
- 自動化のゴールは「考えなくていい状態」——医師も看護師も、仕事に集中できる
この仕組みは一度作れば何年も使えます。転勤しても変えるのは新しい住所での引き落とし先だけ。難しい知識は不要で、銀行と証券口座の設定を1日かけてやれば完成します。
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