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家計管理

研修医が卒後3年で奨学金360万円を完済した話——新卒医師が今月やること

2026年5月13日

研修医が卒後3年で奨学金360万円を完済した話——新卒医師が今月やること

医学部6年間で積み上がった360万円の奨学金。「卒後何年かかるんだろう」と暗い気持ちになった研修医1年目の自分に、今の自分がアドバイスするとしたら何を伝えるか——。答えはシンプルでした。赤字にさえならなければ、医師の収入なら自然と貯まる。 難しいことは何もしていません。

💡 研修医のお金管理はシンプルでいい

研修医1年目のとき、ぼくが家計について考えていたことは一つだけでした。

「翌月の口座残高が、先月より増えていればよい。」

それだけです。

若手医師にとって、最も効率のよい「資産運用」は医師としてのスキルアップです。仕事ができる医師になることが、長期的な収入に直結する。これは株や投資信託では代替できない、若いうちにしかできないことです。

だからこそ、お金まわりはシンプルに整えて、あとは自動的に回るようにしておくことが大切です。毎月残高が増え続けていれば、細かい管理は後でいい。

逆に言うと、この時期に家計の仕組みを整えておかないと、一人前になったときに身動きがとれなくなります。クレジットカードの信用履歴がない、銀行口座がバラバラ、奨学金が残ったまま……。それが医師としての成長そのものを遅らせることにもつながります。

どくたろう

どくたろう

研修医のうちにやるべきことは、医師として伸びること。お金の仕組みは「整えたら放置できる状態」にしておけばいい。複雑にする必要は何もない。

「スキルアップ」が最強の資産運用である、数字で見ると

ぼくの実際の数字を公開します。

📊 どくたろうの年収推移
初期研修医(卒後1〜2年目)約360万円
後期研修医修了後(卒後3年目〜)約800万円弱
卒後5年目1,000万円超

ぼくは卒後3年で奨学金360万円を完済しました。逆に言うと、3年間で360万円を貯められたということです。月にすると約10万円。

では、その月10万円をオルカンに積み立てていたらどうなったか。

📈 オルカン積立 vs スキルアップ
オルカン積立(月10万・年率7%)スキルアップによる年収増加
3年後の運用益約+40万円
卒後3年目からの年収増加年間+440万円

オルカン3年分の運用益は、スキルアップによる増収の1ヶ月分にも満たない

チワゴ

チワゴ

月10万円積み立てても、1ヶ月分にも届かないんですか……。

どくたろう

どくたろう

研修医のうちは、時間とエネルギーを「医師としての成長」に全振りするほうが、どんな投資よりも効率がいい。これは若いうちにしかできないことだから。

📘 ただし、これはいつまでも続くわけではない。
医師としての年収は、一人前になる頃に上げ止まる時期が来ます。そのタイミングからは、スキルアップだけでなく資産運用で増やす仕組みづくりが必要になってきます。オルカンへの積立投資が本領を発揮するのは、その段階からです。

若手のうちはスキルアップに全振り → 一人前になったら資産運用にシフト。 この順番を間違えないことが大切です。
どくたろう

どくたろう

お金の仕組みをシンプルに整えておけば、スキルアップに集中できる。そしてスキルアップによって年収が上がってきたとき、今度はその収入を資産運用に回す仕組みを作る。この2段階が、医師のお金の王道だと思っている。

🏠 固定費を徹底的に削った

まず前提として、ぼくの初期研修医時代の給与は額面30万円、手取りで20数万円でした。初期研修医の待遇としては最安値に近い水準です。決して高給取りではありませんでした。それでも貯まったのは、固定費を削れていたからです。

● 病院の宿舎を使った
宿舎の家賃は月2万円でした。民間のアパートを借りたら7〜8万円はかかる立地でした。宿舎に入ることで、毎月5〜6万円の固定費が消えていたことになります。

● 車を持たなかった
研修に集中していたので、土日に車で遠出するような時間はありませんでした。まず医師として一人前になることを優先していたので、車がなくても不便を感じませんでした。駐車場代・保険料・ガソリン代・車検……車を持つと年間30〜50万円以上のコストがかかります。持たないだけで、自動的に大きな固定費がゼロになりました。

● 無駄な保険にも入っていなかった
民間の医療保険や貯蓄型保険には一切加入しませんでした。これも固定費を低く保つ上で大きかったです。保険の考え方については以下の記事で詳しく書いています。

📖 あわせて読みたい

● 病院にいる時間が長く、光熱費も自然と少なかった
研修医は病院にいる時間が非常に長い。自宅にいる時間が少ない分、電気代・水道代なども自然と抑えられていました。意識してやっていたわけではなく、生活スタイルの結果です。

この4つの組み合わせによって、交際費など「楽しむお金」を削る必要は一切ありませんでした。 節約のために我慢したという感覚はほとんどなく、大きな固定費を払わなかっただけで十分だったのです。

どくたろう

どくたろう

「物欲が少なかった」というのが正直なところ。ブランドものにも旅行にも興味がなかった。それが一番の節約だったかもしれない(笑)。

チワゴ

チワゴ

交際費を削らなくても貯まったというのが、すごいですね。大きな固定費だけ下げれば、細かい節約は不要だったということか。

🏠 固定費の比較
固定費の項目どくたろうの場合一般的な場合
家賃2万円(宿舎)7〜10万円
車(駐車場・保険・ガソリン等)0円月3〜5万円相当
民間保険0円月1〜3万円
削れた固定費(概算)月10〜15万円以上

💳 クレジットカードは1枚に集約する

ここは大きな後悔があります。正直に書きます。

研修医のとき、ぼくはクレジットカードが怖くてすべて現金払いにしていました。不正利用が怖いという不安からでした。

結局カードを作ったきっかけは、学会参加費の支払いに困ったことでした。学会費はカード払いが前提のことが多く、現金払いでは対応できない場面があります。「必要性を感じていない」という人も、医師をしていれば必ずカードが必要になる場面が来ます。

⚠️ クレジットカードを使わなかったことのデメリット
  • 信用履歴が作れなかった(後でローンや審査に影響する)
  • 通帳の総額でしか管理できず、無駄な支出がないか細かく把握できなかった
チワゴ

チワゴ

えっ、現金払いのほうが安全じゃないんですか?

どくたろう

どくたろう

現金払いだと、支出を振り返るためにレシートを集めて自分でまとめる必要がある。キャッシュレス決済に一本化しておけば、明細が自動的に記録されるのでその手間がなくなる。忙しい毎日の中で小さいことかもしれないけど、自動化できる仕組みづくりはとても大切なんだ。

📘 カード選びのシンプルな結論:
  • こだわりがなければ「楽天カード・VISA・年会費無料」の一択でよい
  • VISAブランドにする理由:海外の学会でも使える。JCBは海外で使えない場面が多いので避ける
  • ポイント目当てで複数枚作るのは絶対にやらない。解約の手間が後々かかるだけ
  • 「格好いいカードが欲しい」と思ったら、医師として一人前になってから。そのころには社会的なステータスと実力が一致してくる。今の段階で実力に見合わないカードを持っていると、逆に恥をかくことになる

📚 自己投資だけは惜しまない

節約一辺倒だったわけではありません。医師として成長するための支出だけは、まったく躊躇しませんでした。

  • 専門書・医学書の購入
  • 学会参加費・交通費
  • 勉強会・研修への参加費
  • オンライン講座や教材
どくたろう

どくたろう

若手のうちに医師として伸びることが、長期的な収入にもキャリアにも直結する。自己投資は「消費」じゃなくて「投資」。ここだけは絶対に削らないでほしい。

チワゴ

チワゴ

節約すべき場所と、惜しまない場所を分けて考えるのが大事なんですね。

🏦 転勤に対応できる仕組みをつくる

若手医師の大きな特徴のひとつが、引越しの多さです。

  • 初期研修(2年間)で複数の病院をローテーション
  • 後期研修(2〜3年間)で関連病院への出向
  • 後期研修終了後、大学院進学を命じられることも
  • 就職してからも、診療科によっては1年ごとの転勤が当たり前

医師によっては、卒後10年ほどは落ち着いて同じ場所に住み続けることができないケースも珍しくありません。

このような生活スタイルで、「銀行の支店に行かないと手続きできない」「引越しのたびに書類を揃えて……」という仕組みを作ってしまうと、それだけで貴重な時間とエネルギーが奪われていきます。

どくたろう

どくたろう

医師のキャリアは自分でコントロールできないことが多い。転勤・大学院・出向……いつ何が来ても困らない仕組みを最初から作っておくことが大事なんだ。

チワゴ

チワゴ

10年間も落ち着かない生活が続くこともあるんですね……。

どくたろう

どくたろう

だからこそ、お金の仕組みは「どこに住んでいても自動で動く」状態にしておく必要がある。一度作れば、転勤しても何もしなくていい。

どくたろうが実際に住信SBIネット銀行を使って作っている「お金の自動化の仕組み」については、次の記事で詳しく解説します。

📌 次の記事:「勤務医が作った『お金の自動化』——転勤しても崩れない仕組みのつくり方」

🎉 結果:卒後3年で360万円を完済

医学部6年間、毎月5万円を借りていました。

5万円 × 72ヶ月 = 奨学金総額 360万円

卒後3年目(後期研修医1年目が終わったタイミング)に、一括返済できました。

チワゴ

チワゴ

えっ、3年で360万!? しかも手取りが20数万円で?

どくたろう

どくたろう

何もしてない(笑)。株も投資信託も当時はノータッチ。宿舎で家賃2万円、車なし、無駄な保険なし。それだけで毎月残高が増え続けた。固定費さえ低ければ自然と貯まるんだ。

✅ 360万円完済の条件はシンプルだった
  • 宿舎を使い、家賃を2万円に抑えた
  • 車を持たず、維持費をゼロにした
  • 無駄な保険に入らなかった
  • 特別な節約術や投資は何もしていない
  • 毎月残高が増え続けるだけで、3年後には完済できていた

✅ 新卒医師が今月やること

① 家計簿アプリを入れる
マネーフォワードMEなど。まず「今いくら使っているか」を把握するだけでいい。

② クレジットカードを1枚作る
楽天カード・VISA・年会費無料。これでよい。ポイントは気にしない。カードを増やさない。

③ 固定費を見直す
宿舎に入れるなら迷わず入る。車は本当に必要か? 研修中は持たない選択を真剣に考える。無駄な保険にも入らない。

④ ネット銀行を開設する
住信SBIネット銀行など、スマホだけで完結するネット銀行を1つ作っておく。転勤があっても困らない。

⑤ 自己投資には遠慮しない
書籍・学会・勉強会への支出は惜しまない。若手のうちに伸びることが長期的な収入にも直結する。

どくたろう

どくたろう

この5つができれば、あとは時間が解決してくれる。手取り20数万円でも、大きな固定費さえ払わなければ奨学金は必ず返せる。焦らなくていい。