変額保険を10年で解約した理由|好調運用でも100%を超えなかった保険コストの正体
2026年5月10日

📌 この記事でわかること
- ✅ 変額保険(収入保障保険+変額終身保険のセット)に加入した経緯
- ✅ 10年間で払い込んだ保険料と解約時の実際の損失額
- ✅ 外国株式が好調なのに解約返戻率が100%を超えなかった本当の理由
- ✅ ライフプランを見直したら収入保障保険すら不要になった理由
- ✅ 変額保険を検討中・加入中の人への判断基準
結論からお伝えします。
僕は後期研修医のころに、収入保障保険と変額終身保険のセット商品に加入しましたが、10年後に一括解約しました。
解約返戻率は95%台──外国株式100%で10年間運用して、株式市場が好調だったにもかかわらず、解約返戻金は払い込んだ保険料の100%にすら届きませんでした。
その理由を知ったとき、変額保険という商品の構造的な問題が見えてきました。さらに解約後の資産運用の進歩により、収入保障保険すら不要という結論に至りました。今日はその経験を包み隠さずお話しします。
チワゴ
先生、保険見直しシリーズの最終回ですね!
どくたろう
そう。今日は変額保険を10年かけて解約した話をするよ。
チワゴ
変額保険って、株式で運用する保険ですよね?運用次第でお得になると聞きました。
どくたろう
そう思って入ったんだけど、10年間株式が好調だったのに、解約返戻率が100%を超えなかった。今日はその理由を全部話すよ。
なぜ加入したのか
加入したのは前回お話した個人年金保険と全く同じタイミング──後期研修医のころです。妻が妊娠に伴って仕事を辞めていて、お腹の中に子どもがいる時期でした。将来への不安が大きかったそのタイミングに、保険の営業を受けました。
医療保険は断りましたが、個人年金とこの変額保険のセットには契約してしまいました。
| 商品 | 内容 |
|---|---|
| 収入保障保険 | 万が一のとき月10万円・65歳まで |
| 変額終身保険 | 外国株式100%で運用・死亡時200万円 |
| セット月額保険料 | 約7,000円 |
チワゴ
収入保障と変額終身がセットになってるんですね。なぜ加入してしまったんですか?
どくたろう
収入保障は「子どもが生まれる前に万が一のことがあったら」という不安から、素直に必要だと思った。変額終身の200万円については「お葬式代など、死後の処理に必要なお金」という営業トークに納得してしまったんだ。
チワゴ
確かに、妊娠中のタイミングだと「もしものとき」が現実的に感じられますよね。
どくたろう
そう。不安が大きいときほど、営業トークに乗りやすい。今思えばそこが落とし穴だった。
10年後の気づき①──好調運用なのに100%を超えない謎
10年後、資産運用の勉強を本格的に始めた僕は、保険の解約返戻金を確認して驚きました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月額保険料 | 約7,000円 |
| 加入期間 | 10年(120ヶ月) |
| 払込総額 | 約84万円 |
| 解約返戻率 | 約95% |
| 解約返戻金 | 約80万円 |
| 直接の損失 | 約4万円 |
チワゴ
外国株式100%で10年運用して、100%を超えないんですか?
どくたろう
これが変額保険の構造的な問題なんだ。変額保険は確かに株式で運用しているけど、その運用益の大部分は保険会社のコストとして差し引かれている。具体的なコスト率は保険会社から公表されていないけど、結果として「株式市場が好調でも、手元に残る金額は100%を超えない」という事実がそれを物語っている。
チワゴ
つまり、自分が投資の恩恵を受けているようで、実際は保険会社が多くを持っていってしまっているということですか?
どくたろう
そういうことだ。自分でオルカン(全世界株式インデックスファンド)を買えば、信託報酬は年率0.1%以下。コストのほとんどを自分の資産の成長に回せる。変額保険を通す理由がなくなったんだよ。
チワゴ
同じ外国株式に投資するなら、直接買った方が圧倒的に有利なんですね。
どくたろう
しかもこのコストは、株式が下落した年でも引かれ続ける。運用成績に関係なく、保険会社の取り分だけは確実に引かれていく構造なんだ。
10年後の気づき②──ライフプランを見直したら保障が不要になっていた
コストの問題に加えて、もう一つ大きな変化がありました。10年で家族の状況が変わっていたのです。
チワゴ
どんな変化があったんですか?
どくたろう
加入した当時は妻が専業主婦だった。でも子どもが成長するにつれて、妻がパートに出られるようになって、月に数万円稼げるようになった。
チワゴ
それって保険の必要性に関係するんですか?
どくたろう
大きく関係する。収入保障保険は「僕が亡くなったとき、家族が生活できるか」のための保険だから。妻の収入が増えると、必要な補填額は減る。そしてもう一つ、決定的なことに気づいた。
どくたろう
資産運用をコツコツ続けた結果、万が一のときでも遺族が当面困らない程度の資産が積み上がってきたんだ。
チワゴ
保険に頼らなくても、資産で代替できるようになった、ということですか?
どくたろう
そう。資産が積み上がるほど、保険で備える必要性は小さくなっていく。お金を増やすことが、そのまま保険の代わりになっていくんだ。保険を減らすための答えは、別の保険じゃなくて資産運用の中にある。
チワゴ
収入が高くても、資産運用をしていないと同じ落とし穴にはまってしまうんですね。
どくたろう
そう。高収入でも貯蓄だけでは資産は増えにくい。インデックス投資で資産を育てることで、初めて「保険がなくても大丈夫」という状態が作れる。これが僕の一番大切なメッセージなんだ。
セット販売の落とし穴──片方だけ解約できない
チワゴ
変額終身だけ解約して、収入保障は残すという選択はできなかったんですか?
どくたろう
できなかった。セット商品だったから、どちらか一方だけの解約は契約上できなかった。
チワゴ
それは困りましたね。
どくたろう
これはセット販売や特約付きの保険全般に言えることなんだけど、「必要な部分」と「不要な部分」が一つの契約に束ねられていると、後から切り離せないことがある。だから加入前に「この保障だけ単独で解約できるか」を必ず確認することが大事だよ。
チワゴ
保険に入るときに、出口まで確認しておく必要があるんですね。
解約を決めた3つの根拠
🔑 解約を決断した3つの根拠
- 運用が好調でも100%を超えない──株式運用益の大部分が保険会社のコストになる
- 変額終身200万円の死亡保障が不要──資産で代替できる水準になった
- 妻の収入増加と資産の積み上がりで、収入保障の必要性が低下した
どくたろう
損をしてでも解約したのは、今後も月7,000円を非効率な商品に投入し続ける機会損失の方が大きいと判断したから。そしてもう一つ気づいたことがある。
チワゴ
何ですか?
どくたろう
「お葬式代のための200万円」という理由で加入した変額終身だけど、解約した月7,000円をそのまま65歳までインデックス投資に回し続けた場合を計算してみると…
| 試算条件 | 結果 |
|---|---|
| 月7,000円・残り約25年・年利5% | 約412万円 |
| 月7,000円・残り約25年・年利7% | 約531万円 |
どくたろう
葬式代として考えていた200万円を、はるかに超える資産になる。保険で200万円を「守る」より、投資で資産を育てた方が、死亡保障の目的も結果的に上回ることができるんだ。
チワゴ
保険で備えなくても、投資を続けることで同じ目的を達成できるんですね!
どくたろう
気づいた段階で解約して、その分をインデックス投資に切り替える。個人年金のときと同じ判断だよ。
⚠️ 年利5〜7%は過去の全世界株式インデックスの平均的な実績をもとにした参考値です。将来の運用成果を保証するものではありません。
解約後──収入保障も入り直さなかった理由
解約後、改めてライフプランを精査した結果、新たな収入保障保険に入り直すこともしませんでした。
チワゴ
収入保障保険も解約になってしまいましたよね。入り直さなくて大丈夫ですか?
どくたろう
入り直さなかった。理由はシンプルで、資産運用が順調で、万が一のときでも家族が生活に困らない水準になってきたから。
チワゴ
お子さんの教育費はまだかかりますよね?
どくたろう
そう、教育費はこれからかかる。でも遺族年金という公的な備えがある。実は加入するときから遺族年金を織り込んで、保障額を月10万円に絞っていた。そのうえで資産が積み上がった今は、公的保障と資産の組み合わせで十分と判断した。
チワゴ
最初から出口を考えて設計していたから、保障額が低く抑えられていたんですね。
どくたろう
保険に入るとき、「いつ・どんな条件で解約できるか」まで考えておくことが大事。最初の設計が甘いと、必要以上に大きな保障を何十年も持ち続けることになる。
変額保険を検討中・加入中の人へ
📋 こんな人は一度確認してみてください
- 変額保険(変額終身・変額養老)に加入している
- 運用が好調なのに解約返戻率が思ったより低い
- 「保険+運用」が一石二鳥と思って加入した
- セット商品で、片方だけ解約できるか確認したことがない
どくたろう
変額保険の問題は「投資のように見えて、運用益の大部分が保険会社のコストになってしまう」こと。投資をするなら、保険と切り離してインデックス投資を自分で行う方が、コスト面ではるかに有利だ。
まとめ──保険は「資産が積み上がるほど不要になる」
この3記事を通じて伝えたいことはひとつです。
保険は「リスクを外部化するためのコスト」。資産が積み上がるほど、自分でリスクを吸収できるようになる。だから資産運用を続けることが、保険を減らす最も根本的な解決策になる。
チワゴ
先生の話を聞いて、収入が高くても低くても、ただ貯蓄しているだけでは同じ落とし穴にはまってしまうんだと実感しました。医師でさえそうなんだから、私も他人事じゃないですね。
どくたろう
その通り。収入が多くても少なくても、ただ貯蓄するだけでは資産はなかなか増えない。むしろ「高収入だから大丈夫」という油断が、不要な保険を何年も持ち続けさせてしまう。インデックス投資で資産を育てることで、初めて「保険がなくても大丈夫」という状態が作れる。それが僕の保険見直し3部作を通じた、一番大切なメッセージだよ。
チワゴ
まず証券口座を開いて、個人年金と同じ月7,000円分だけオルカンを積み立てるところから始めてみます!
どくたろう
それが一番の近道だよ。応援してるよ。
📈 次のステップ
変額保険を解約して浮いたお金を投資に回すなら、まずは証券口座が必要です。